小学生にUnityは難しい?学習手順まで徹底解説!

Unity

こんにちは。3D・ゲーム制作のプログラミング教室「シキサイ」です。
今回は、小学生がUnity」でゲーム制作を行う難易度と学習方法について解説します。

そもそもUnityとは

Unityとはゲームエンジンのこと

まず「Unityとは何なのか?」を簡単に解説します。

Unityはゲーム開発に必要な様々な機能を有するゲーム開発ツールのことです。
※注意:ScratchやPythonといったプログラミング言語ではありません。

このゲーム開発に必要な様々な機能が揃っているツールをゲームエンジンと呼びます。
ゲームエンジンは、ゲーム開発に必要な機能を網羅的に備えた統合開発環境です。

あくまでツールの1つなので、ゲーム開発をするだけなら、Unityを使わなくても制作は可能です。
では、なぜUnityを使ってゲーム開発をするのでしょうか?

その答えは、Unityを使うと開発の負担を大きく軽減できるからです。

例えば、アクションゲームでジャンプの処理をしたいとします。
ジャンプした際に垂直方向の初速度があり、時間経過ととも減速してマイナスに転じると落下します。
※地球の重力加速度は 9.80665m/s2

本来は、この時間経過で速度が変化するという指示をプログラムで記述する必要があります。
しかし、UnityではRigidbodyというコンポネントを与えるだけで簡単に重力を実装できます。

つまり、Unityではゲーム開発で「これは1から作るのは大変」と思う様々な機能を事前に用意してくれいているわけです。

Unityは将来性の高いゲームエンジン

Unityは世界で最もシェアが高いゲームエンジンでもあり、全世界で100万人の開発者が使用しています。

  • 【1位】45.6%:Unity 3D Engine(Unity Tehnologies)
  • 【2位】17.1%:Unreal Engine(Epic Games)
  • 【3位】17.1%:Internal proprietary Engine(企業独自のエンジン)

実際の利用例としても「Pokémon GO」「白猫プロジェクト」「スーパーマリオラン」などの人気ゲームなどがあります。
需要の成長は今後2年間で39%と言われており、これから学ぶ価値のあるゲームエンジンです。

開発対象は2D・3D・XR(VR,AR,MR,SR)で、あらゆるゲームを作ることができます。
近年話題のメタバースは発展途上ですが、将来的には確実に広がる領域のため、今の子供たちが学んでおくスキルとしては価値が高いと考えられます。

Unityは公式サイトから1クリックで簡単に無料ダウンロードが可能です。
個人で利用する場合には無料ですので、パソコンさえあれば手軽に始めることができます

素材やパーツも公式サイトアセットストアでハイクオリティなものが無料で入手可能です。
凝ったビジュアルのゲームを創りたければ有料素材もあるので、素材を作るスキルは不要です。
※素材を作るソフトには3DモデリングソフトのBlenderなどがあります

Unityの難易度

Unityの対象目安は小学校5年生以上

「Unityは簡単だから小学生でもできる!」という内容を見かけることがあります。
Unityでゲーム開発をしている立場から言えば「Unityは大人でも難しい」
というのが本音です。

大型書店でUnityの小学生向け書籍を探すと、非常に平易な内容で書かれたものでも対象年齢は小学校5年生以上と記載されています。

つまり、本来Unityは小学生にオススメできるツールではないのです。

当スクール(シキサイ)では、小学3年生からUnityを教えることはあります、Scratchなどの子供向けプログラミング言語をやり切ったお子様にしか教えていません。

プログラム未経験からUnityを始める場合は、小学5年生以上でも独学で開発するのはかなり難しいと思ってください。

なぜUnityは難しいのか?

①C#でコードを書かなければならない

Unityでは、オブジェクトをマウス操作で作って加工することができます。
そのため「コードを書かずにゲームを作れる」などと言われますが、Unityというツールの機能の一部をいじっているだけに過ぎません。

細かいことを言えば、確かに「Bolt」などのビジュアル言語で開発できるツールを使えば、Unityでコーディングなしでゲームを作ることは可能です。
ただ、それは「Unityを使っている」というステータスだけで、本質的なプログラミング能力向上には繋がりません。

本気で本格的なゲームを作りたいなら難しくてもC#を覚えるべきです。

ゲーム制作ではなくプログラミング力を身に付けたいなら、Unityなどの開発環境を使わずに、Pythonなどのプログラミング言語を学ぶ方が挫折も少ないです。
※C#はコンパイル型言語で、Pythonなどのインタープリター言語の方が記述がシンプル

②Unityはできることが多すぎる

Unityはゲーム開発を効率的に行うためのツールであり、できることが沢山あります。
そのため、子供向けの教材ででてくるようなミニゲームであれば、Unity内で使わない機能が非常に多くなってしまうのです。

例えば、高機能の電子レンジを購入したとします。スチーム加熱やオーブンレンジ、ノンオイルフライヤーなどの色々な機能がついている。けれど、実際に使っている機能は普通の加熱だけ。

思い当たる親御様もいるのではないでしょうか?
キッチンに立たないお父さんなんかは、「ボタンが多すぎてどうすれば動くのか分からない」ということもあるかもしれませんね。

まさに、Unityでゲーム開発をするのはこのようなイメージです。
Unityはゲーム会社のエンジニアが仕事で使うツールであり、小学生に与えても多くの場合では持て余してしまうわけです。

③小学生にUnityは必要ないのか?

ここまで「Unityは小学生に難しい」と書き連ねてきましたが、小学生にUnityは不要なのでしょうか?

教育者としての立場から言えば「多くの小学生にUnityを使いこなせるようになって欲しい!」ということを強く思っています。

ただ、基礎が身に付いていない段階でUnityを使っても学習効率が悪いので、Scratchなどで基礎を十分過ぎるくらい身に付けてから学んで欲しいのです。

もちろん、Unityに興味を持って早い時期に試しに触ってみることは、モチベーションアップにも繋がるので推奨します。
一方で、Unityをやっているから基礎はやらせなくて良いということにはなりません

お子様に基礎スキルが身についているか分からなければ、プロに見てもらうのがオススメです。
シキサイは子供のゲーム開発学習指導を専門にしていますので、気軽にご相談ください。

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Unityを学んで欲しい理由

シキサイとしては、小学生のうちにUnityが扱えるまで身に付けて欲しいという想いがあり、その理由は大きく二つに分かれます。

①日本の未来を支えるエンジニアを輩出する

上述した通り、Unityは将来性の高いツールです。日本のIT教育は遅れてると言われて久しいですが、2019年からのGIGAスクール構想などを契機にプログラミング学習者が急激に増え始めて、少しずつ底上げができています。

もちろん、学習者が増えて基礎スキルが向上することは大切ですが、技術は手段に過ぎません
つまり、学んだ内容を何に活かすのかが重要になってきます。

その点で、近年注目されているIT分野の最新技術は人工知能メタバースではないでしょうか?
特に、UnityはVR開発ができるためメタバースとは高い親和性があります

つまり、強い需要のあるマーケットを鑑みれば、Unityを扱える人は高いスキルを持った人材であると言うことです。

この30年でGAFAMを始めとするIT企業が世界の市場を掌握し、かつて時価総額ランキング上位を独占した日本企業は後塵を拝しました。
失われた30年を次の世代の子供たちに引き継がせないためにも、私たち親世代はプログラミング教育に真摯に向き合わなければならないのです。

②想像と創造の力を養う

Unityは扱いが難しいですが、これを十全に扱うには高度な思考力が必要です。
受験勉強なども重要ですが、これからの時代は暗記ではなく思考する力が求められます。
思考力は高度なプログラミング学習によって大きく伸ばすことが可能です。

また、受験改革などで公教育でも正解を自分で考える力が重要視されるようになってきました。
ゲーム制作には正解はありませんし、人に遊んでもらうことが前提にあるため、どうやったら面白くなるかを徹底して考える必要があります。
また、ストーリー性やコンセプトも重要であり、高い創作性のある活動です。

頭の柔らかい子供のうちに沢山のアイデアを形にして、多くの人に遊んでもらってフィードバックを受けることで、子供たちは大きく成長できるでしょう。

Unityのおすすめ学習ステップ

Unityの学習方法は、大きく分けて3ステップです。これらは、Scratchなどで基礎ができていることを前提としています。
ここまでUnityの難しさを強調してきましたが、一歩一歩学んでいけば着実にスキルが身につき誰でもできるようになります。(それがプログラミングの素晴らしいところです)

①サンプル通りに作ってみる

まずは、書籍や動画などで学習していきます。教本なら、サンプル通りに作っていけば、確実にゲームを完成させることができます。

ここで重要なのは、きっちりサンプル通りにゲームを作り切ることです。
子供なので飽きてしまうのも分かりますが、中途半端にやると変な開発の癖がついてしまいます

ゲーム制作のゴールは人に遊んでもらえるものを作ることですので、なるべく1冊1冊をやり切って次に進んでください。

また、最初はミニゲームなどの簡単に作れるものから始めることが大切です。

※おすすめの教本は生徒の状態によって異なり、安易に勧められません。
ご興味があれば無料相談会でお子様の状態を確認させていただき、正確に提案させてください。

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②サンプル教材をアレンジしてみる

教本通りに作るだけでは、ゲーム制作の面白さの醍醐味がなくなってしまいます。
そこで、サンプル通りに作ったゲームをアレンジしてみましょう。

例えば、アクションゲーム(スーパーマリオなど)なら、敵の数を増やしてみるなどです。
少しのアレンジでも、構造を理解して行えば大きな力が付きます。
アレンジの幅を増やしていって、ほぼ原形がなくなるくらい自分の思い通りに改造できたら、オリジナルゲームを作れるレベルに到達したと言えるでしょう。

ゲームはジャンルが様々ありますが、それぞれ作り方は概ねパターン化されます。
初めて作るジャンルのゲームは、教材通りに作ってアレンジする流れを忘れないでください。

  • アクションゲーム
  • シューティングゲーム
  • シミュレーションゲーム
  • レーシングゲーム
  • パズルゲーム
  • 音楽ゲーム
  • トレーディングカードゲーム
  • etc..

③オリジナルゲームを作る

いよいよオリジナルゲームの開発です。ここまで到達した時には、沢山の努力を積み重ねてきたことになるでしょう。
オリジナルゲームの開発に着手する時には、プロのエンジニアのゲーム開発に近しいスキルが身についているはずです。
※あくまでも若手エンジニアレベルですが

ぜひ、作成したゲームは公開して友達に遊んでもらったり、アプリストアで販売してみてください。
最初は期待した反応は得られないかもしれませんが、それを繰り返して開発力は磨かれていきます。

まとめ

Unityは小学生には安易におすすめできないツールです。

それは、基礎スキルが乏しいまま学ぶと学習効率が下がり本当に養うべき力を置き去りにしてしまうからです。
一方で、しっかり手順を踏んで学べば誰でもできるようになりますし、学習価値の高いスキルです。

この記事をここまで読んでくださった方は、少なくともお子様のUnity学習に関心のある方だと思います。
プログラミングに興味を持ち、Unity学習を検討できる状態にあるだけでも、非常に素晴らしいことです。
ぜひ、お子様の更なる成長と価値のあるスキルを体系的に学ぶために、必要に応じてUnity指導のプロ教師をご検討ください。

シキサイは、子供のプログラミング学習に徹底した支援を行っています。
些細な疑問でもお尋ねいただければ全力でお答えさせていただきますので、気軽にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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